試験で成果を出したければ爆速でアウトプットせよ
この記事でわかること
受験や資格試験が迫っているが、合格できるか不安。分量が多くて全然インプットが追いつかない。最初に学んだことはもはや記憶の彼方…。
勉強あるあるですよね。
一定の範囲がまとまって出題され、まんべんなく解答できないと合格できないような試験もあれば、一問一答や記述式など出題形式が複数あって、それぞれに対策を練らないといけないような試験もあり、あんなにインプットに時間をかけたのに、全然結果がでないと感じる方は多いと思います。
そうした方に共通するのはアウトプットの量が少ないことです。
アウトプットを早めに行う。なんならインプットよりも先にするくらいのつもりでやる。
そうすると試験対策も効率化でき、自信をもって本番に望むことができます。
またアウトプットを繰り返し、スピードを上げていくことで広い範囲の内容を記憶に定着させることができます。
この記事では、早めに、かつ繰り返しアウトプットを行うメリットやおすすめの方法について解説します。
このやり方を習得すれば、試験も怖くなくなります。
早めに、同時に、先にアウトプットせよ
結論から伝えます。
早めに、同時に、先にアウトプットせよ! そして繰り返せ!
これに尽きます。

「『早めに』とか『繰り返し』とかはその通りかもしれないけど、『同時に』、『先に』は無茶でしょ。まだ何にもインプットしていないのに。」
そう思った方もいると思います。学ぶべきことを学んでいないのに、問題を解いたり、説明したりといったアウトプットができるはずがないと。
それでいいのです。
アウトプットを先に行うことで、自分が試験の段階で何ができていないといけないのか、現段階では何ができていないのかを把握することができます。
みなさんもなにか計画を立てるさいは必ずゴールと現在地を確認しますよね。それがないと道中の計画は立てようがありません。
「先にアウトプットせよ」とは求められるレベルや自分の今のレベルを最初に知っておこうという意図なのです。
次により具体的に、早めにアウトプットを行うメリットについて解説していきましょう。
爆速アウトプットで試験、そして自分のレベルを知ることができる
ゴールと現在地を把握する
とにかく早めにアウトプットする。何なら先にやる。そうやってゴールや現在地を把握しようと述べました。
多くの人はゴールや現在地の理解があいまいです。ゴールが試験合格ということ自体は明確ですが、そこで求められる力やどういった形式、難易度の問題が出題されるかまで分析している人、今の自分がどれくらいのレベルかを認識している人は少ないです。
計画を立てずに、やみくもに勉強する人が多いんですね。
差がつくチャンスです。さっさと過去問や模擬試験をやりましょう。そうすればすぐに試験のレベルも自分のレベルも把握でき、対策が立てられます。
「とはいえ、さすがに何も学んでいないのに、いきなり過去問というのは…。」と思う人もいるかもしれません。せっかく過去問に取り組むなら、その時点でもある程度の成果が欲しいですしね。
でも本当に何も学んでいないですか?
わざわざ試験を受けようと思ったくらいですから、挑戦者の多くはこれまで学校で学んできた、あるいは仕事で得てきた知識が多少なりともあるはずです。
完全にまっさらで、今まで無縁だった内容の受験や資格試験に挑もうというパターンのほうが少ないはずです。
たいていの人はゼロからではなく、ある程度、学んでいる段階にいます。だからこそ今の自分の現在地を把握することが重要なのです。
また、問題の形式を知らずに勉強を始めてしまうと、

記述式の問題の比重が多いのに、ひたすら一問一答のドリルで暗記ばかりに勤しんでしまった…

英作文の点数の割合が大きいのに、ずっと文法問題ばかりやってきて、英作文対策が間に合わなかった…

最初の方の問題に時間を使いすぎて、後半の配点の大きい大問に時間をかけられなかった..
なんて非効率で悲惨なことになりかねません。
一生懸命勉強したことには違いはないのに、ゴールがどうなっているかを確認しなかったために、注力すべきポイントを外してしまったのです。
私の阪大受験対策
私自身は大阪大学の文学部を受験し、無事に現役合格をした経験があります。
そのさいも受験勉強を始めた高3春の段階で過去問(赤本)に取り組みました。当然、点数の結果はボロボロ。しかしそれ以上の結果を得られました。
たとえば阪大の英語では、最後の英作文が点数の配分が高いとわかりました。多くの受験生が対策を後回しにしがちで差がつきやすいとも予想できたので、最初から英作文対策の比重を重めにして訓練する計画をたてることができたのです。
一問一答と違い、自己採点が難しい形式だともわかっていたので、どの段階で通信教育などの採点をしてくれるサービスを導入するかも計画に組み込むことができました。冬の数カ月間だけピンポイントでZ会を活用したのを覚えています。
早めにアウトプットする。先に過去問や模擬試験に取り組み、試験の傾向や自分の実力を知る。
そうすることで学習すべきポイントを押さえて勉強に取り組むことができ、目標達成までの距離をぐっと引き寄せることが可能になります。
アウトプットを繰り返し、記憶に定着させよ!
〜復習のルール化〜
アウトプットを繰り返すことで、学んだ知識を記憶に刻み込むことができます。
みなさんも、「何度も復習するように」とそれこそ何度も学校の先生に言われてきたと思います。
必ずアウトプットを繰り返し、復習をしましょう。でも多分しないと思うので、復習のルールを定めましょう。
すくなくとも初めて取り組んだ問題などは必ず翌日にも取り組むこと、そして取り組んだ日付や正答できたかどうかなどは、次の復習のタイミングを判断できるように必ず記録を取りましょう。
勉強が得意な人にとっては当たり前のことなのですが、意外に多くの人ができていません。日付と、解けたら◯、間違えたら✕など記号を書く程度のことなのですが。
復習は翌日だけでなく、さらに3日後、1週間後と間隔を伸ばして行うと記憶の定着に効果的です。
形式に多少差があれど、こうしたアウトプットを回す手段を持っているかいないかで成果に大きな差がでます。
アウトプットを回せておらず、インプットばかりに注力していると、「ようやく試験内容をひとさらいできたのに、はじめに学んだことはもう忘れている」という状況になります。
「せっかく学んだのに、なにも身についていない…。」
多くの人はその徒労感に耐えられず、学習をやめてしまうのです。
おすすめのアウトプット計画
薬袋式英単語暗記法でアウトプットを爆速化
アウトプットを回すうえで私がおすすめする方法は、予備校英語講師の薬袋善郎『薬袋式英単語暗記法』で紹介されている復習回数の管理方法です。
タイトルの通り、英単語を覚えるための計画として考案されたものですが、どんな学習分野でも応用できます。
計画の立て方
どのような計画を立てるのか紹介します。
英単語でも問題集でも1日1回分の分量を適度に分けます。たとえば問題集1週分を20セクションに分けて、それを20日かけて取り組むとします。
今日はじめて取り組んだセクションについては、翌日(2日目)にもそのセクションに取り組みます。同時に新たに2セクション目にも取り組みます。
3日目と4日目は1セクション目には取り組まず、5日目に1セクション目を復習します。中2日で復習するということです。
次に復習するのは中3日後。そして中5日後、次は中8日後と…。
こうして復習を繰り返しつつ、次の復習までのタイミングを長くしていく。
中25日以上になってくると、厳密に間隔を伸ばす必要もなくなり、1ヶ月に1回程度、さっと確認するくらいでも問題ないほど記憶が定着しているはずです。
この復習方法の注意すべき点もお伝えします。
1回分のセクションの分量は少なめにして無理をしないことです。
同時並行で2日目から2セクション目に、3日目には3セクション目に初めて取り組み、それらも同様の頻度で復習していくので、すべてのセクションを一通り取り組むまで、1日にやる分量が徐々に増えていくことになります。
先ほどの例だと、20セクションで1周の場合、20日後に最大5セクション分を1日で取り組むことになります。1セクションを10分で取り組めるとしても、20日後には単純計算で50分かかります。
のちのち負荷がかかることを踏まえて分量を設定しましょう。
「え、大変…。」と思った方もいるでしょう。でも安心してください。じつはそれほど負荷は大きくならないことがほとんどです。
なぜなら、最初のほうのセクションはすでに何度も復習を回しているので、感覚的には秒で解けるようになっていることも多いからです。
セクションの数が増えても、最初の数セクション目まではそれぞれ1〜2分で解ける状態になっているので、総時間数も短く圧縮できるようになっています。
さらに回していけば、そのうちすべてが秒で解ける状態にまでレベルが上っているはずです。
分厚い問題集を一瞬で復習するような人を見かけたことはありませんか?
その人はきっとそれまでに何度もアウトプットを回しているから、爆速で復習が完了するのです。
まさに爆速アウトプットそのものです。
1回分の分量の割り振りの感覚を、やりながら掴んでいきましょう。
『薬袋式英単語暗記法』ではエクセルなどの表計算ソフトで計画表を作成するやり方が紹介されています。私もGoogleスプレッドシートで作成し、取り組んだ部分のセルを色塗りして進捗管理しています。
本の内容の8割は英単語帳なのですが、最初の暗記法の解説が詳しいので、ぜひ手にとって読んでみてください。
爆速アウトプットのまとめ
この記事で伝えたことは次の2点
- とにかく早めに、先に、アウトプットし、傾向と対策を考える
- アウトプットの記録を残し、何度も繰り返して爆速化し、記憶に定着させる
多くの学習者がこの2点をおろそかにしているので、受験など競争要素のある試験では間違いなく差がつきます。
過去問があるなら、さっさとやりましょう。今日やりましょう。
問題集があるなら、小分けにして今日から取り組み、明日も同じところをやりましょう。
幅広い学習に応用できるアウトプット法を身につけて、一生勉強には困らない状態になっていただけたらと思います。

