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断熱等級って何? 何のための基準で、どう決まるの?

akius17-2024
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 これから家の新築や購入のための情報収集をするなかで、断熱性能や断熱等級といった言葉を目にすることが多くなるなか、家づくりでは、間取りや家事動線、デザインに目が行きがちで、断熱についてはあまり考えたことがない人がまだまだ多いと思います。

 一方で断熱性能を上げることで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるといった快適性や、光熱費を抑えられるといった経済的なメリットを受けることができます。

 この記事を読むことで、断熱等級とは何か、新築住宅に求められる基準や長期優良住宅やZEH基準を満たすために必要な基準や等級の決め方を知り、これから新築、購入する家の断熱性を考えるヒントを得られます。

断熱等級は国が定めた基準 新築の最低ラインは等級4、最高は等級7と覚えよう

 断熱等級とは国が住宅の断熱性について定めた基準です。その住宅がどれくらいの断熱性を持っているかを1〜7の等級で示すことができます。数字が大きいほど断熱の性能が高くなります。

 2025年度から新築住宅に関しては断熱等級4を満たすことが義務化されました。2030年度には断熱等級5まで義務化のレベルが上がる予定にされています。

 これから新築住宅を考えている人は、少なくとも断熱等級4を満たすことはマストとなりますし、5年後にはレベルが上がることを見越して等級5以上を目指すことも視野に入れておく必要があります。

 いまは「最低でも断熱等級は4以上、最高は7」と覚えておいてください。

断熱等級は長期優良住宅やZEH基準を満たす条件の一つ

 長期優良住宅やZEH水準など他の住宅基準を定める際の基準にも断熱等級は用いられます。長期優良住宅もZEH水準も断熱等級5を満たす必要があります。

 長期優良住宅であれば、住宅ローン控除期間が13年、固定資産税の1/2減税期間が5年に延長されたり、子育てグリーン住宅支援事業から80万円の補助金を受けたりすることができます。

 減税や補助金給付のためにこれらの基準を満たしたいと考えている方も多いと思います。そのためには断熱等級の基準をクリアにしておく必要があるのです。

断熱等級と同様の指標にHEAT20の基準がある

 断熱等級と同様の指標としてHEAT20による基準があります。HEAT20とは一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会という民間団体が作成した基準で、G1〜G3まで定められています。断熱等級と同じく数字が大きいほど断熱性が高くなります。

 基準ができた当時は、国の断熱等級は4が最高で、それ以上の断熱性を表すわかりやすい指標がありませんでした。そこで民間でこうした高い断熱性を表す指標が作られたのです。いまでもHEAT20の基準で断熱性能を表す工務店も多いですので、覚えておくとよいでしょう。

見方としては、ざっくりG1=断熱等級5、G2=断熱等級6、G3=断熱等級7と置き換えて問題ありません。

断熱性とは保温力のことである

 断熱性が高いと具体的に家はどうなるのでしょうか?

 「熱を断つ」と書いてある通り、断熱とは住宅の中と外の熱が交じらず、出入りしにくい状態にすることです。逆に断熱性が低いと中と外の熱交換が多くなります。

 例えば夏。室内ではエアコンをかけて涼しい環境を作り出します。一方、外は30度を超える温度です。室内外の寒暖差は大きい状態です。ところが断熱性能が低いと、この状態を維持できません。室内外の熱の出入りが多くなり、せっかく冷やした室内の冷気は外に出ていき、暑い熱が室内に伝わってきます。結局、常にエアコンをフル稼働させ、暖めては冷やし、暖めては冷やしを繰り返すことになります。窓や床、天井など熱が伝わってきやすいところを中心に、室温にもムラが生じます。

 冬も同様で、冷えては暖め、冷えては暖めを繰り返すことになります。アルミ窓はとても熱を通しやすいので、窓辺は特にひんやりしますよね。結露やカビの原因にもなります。

 断熱性能は住宅の周囲を断熱材で囲んだり、樹脂枠のように熱伝導率の低い窓枠などを用いることで上げることができます。断熱材は中に空気の塊をいくつも抱えることができるものが多く、この空気が間に挟まることで、中と外の熱が直接伝わらないようにできます。

 身の回りにあるもので、一番身近な例は魔法瓶の水筒です。あれも内側と外側の筒の間に真空の層が設けられています。水筒にお湯を注ぎ、寒い外に水筒を放置しておくと、外から冷たい空気が筒に伝わりますが、筒の中でいったん真空層が冷たい空気を遮断するので、中のお湯は冷めずに済みます。

 家全体が魔法瓶化した住宅とイメージすると、断熱性能も理解しやすくなるでしょう。

断熱等級はUA値(外皮平均熱貫流率)で決まる

 断熱等級を決定する基準はUA値(外皮平均熱貫流率)の数値で決まります。UA値(外皮平均熱貫流率)とは、壁、窓、床、屋根など建物を覆う内外の境界でどれだけの熱の出入りがあるか、その平均を表した数値です。数値が小さいほど、熱の出入りは少ないことを意味し、つまり断熱性が高く、保温力が高いことを表します。

 東京や大阪などの6地域では、断熱等級4はUA値0.87以下、断熱等級5はUA値0.6以下、断熱等級6は0.46以下、断熱等級7は0.26以下と定められています。

 注意すべきはUA値のAはアベレージで、平均だということです。壁や窓、床、屋根などの平均の数値のため、極端に熱の出入りの多い部分があったも、他が少なければUA値は下がります。しかし体感としては熱の出入りの多い部分は夏はとても暑く、冬はとても寒いといったことが起こります。熱の出入りの多い代表例は窓です。他は良くても窓の断熱性が低いと、冬は結露が生じたり、冷たい空気が窓から床へと降りてきたりして、寒くなることは避けられません。一方でUA値を上げるために窓を極端に減らし、ウチとソトの繋がりを感じにくい家にしてしまう可能性もあります。

 具体的に住み心地をシミュレーションしながら、UA値を下げる試みが大切になってきます。

同じ等級でも寒い地域は求められるUA値が厳しい

 さきほど断熱等級ごとのUA値の基準を示した際に「東京や大阪などの6地域では」と書きました。実は地域によって、等級ごとに求められるUA値の基準は変わってきます。

 日本は南北に長い国土で、山も多いため、地域により気候に大きな差がある国です。極端な話、北海道と沖縄では冬の厳しさが全く異なります。そのため地域ごとに基準が異なるのは当たり前の話です。

 日本は地域を1地域から8地域と8つに分け、それぞれ基準を示しています。数字が小さい地域ほど寒冷地で、同じ断熱等級でも求められるUA値が厳しくなります。

 東京や大阪などを含む、関東から東海、近畿、瀬戸内海、九州北部などは6地域と定められています。全人口の8割が暮らすエリアであり、断熱等級の説明や解説では代表でよく使われる地域です。

 自分の住むエリアがどのエリアかは確認しておいてください。

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33歳、二児の父 試行錯誤しながら生活で役立ったことをわかりやすく伝えます!
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